、課税官庁の立場からは税金計算書で課税根拠を把握できるという長所があります。このため、韓国の付加価値税は税金計算書に基づき税額を計算し、、申告および納付しています。

この様に、韓国における税金計算書は単なる領収証や請求書等の機能としてだけでなく、事業者が付加価値税法に基づき税金を徴収した事実を証明する重要な課税資料としての役割を担っています。よって、税金計算書を授受する場合は一般的にやり取りされる領収証とは別途に、必ず付加価値税法に基づき発行されたものであるかどうか、または授受時期などを確認しなければなりません。

2. 事業者登録制度について

付加価値税のもう1つの大きな特徴は、事業場単位で申告および納付することです。法人税または所得税は、法人または個人の所得に対する課税であるため、本店所在地または個人の住所地を納税地として税金を納付します。しかし、付加価値税は財貨または役務の取引によって発生する税金であるため、課税対象である財貨または役務の供給が行われる事業場を基準にして納税地を定めています。従って、1事業者が2カ所以上の事業場(支店)を有する場合は事業場ごとに事業者登録をし、別々に事業者登録番号の交付を受け、付加価値税を申告および納付することが原則です。

そのため、事業場を数カ所保有している事業者の場合、実態は1カ所であるにもかかわらず付加価値税の諸般義務は事業場ごとに履行しなければならないという不便な点もあります。この点について付加価値税法上「事業者単位課税」という制度があるため一度確認してみる必要があります。

事業者単位課税制度とは、課税官庁に事業者単位課税を申請した事業者については当該事業者の本店または主要事務所の名義および事業者登録番号で税金計算書を収受し、付加価値税を総括して申告・納付する制度です。従って、事業者単位課税制度を適用する場合、支店は支店名義で別途税金計算書を授受する必要がなく、本店で統合して付加価値税申告および納付を行うことになります。

過去には事業者単位課税制度を導入するためには法で定める一定電算システム設備(ERP)を備え、管轄税務署長の承認を必要とする複雑な条件がありました。しかし、法改正により2010年からは電算設備システムを備えなくても事業者単位課税制度を選択できるようにし納税者の便宜を図ったため、、、これを積極に活用すれば付加価値税に関する負担を相当解消できるものと思われます。